スマートフォンやタブレット端末の普及により、リモートアクセス環境が当たり前になってきています。また、情報漏洩などの問題が世間で騒がれておりセキュリティー強化に向けてリモートアクセスの重要性が注目されてきています。
リモートアクセスを導入するメリットを簡潔に挙げると以下の通りです。
個人利用編
- 自宅のパソコンを外出先で遠隔操作が可能(パソコンの電源は、Wake-on-LAN技術で電源をONにすることが可能)
ネット環境さえ整えば、低スペック端末で自宅の高スペックPCを操作することにより過負荷処理を高性能PCに担当させ、画面のみを遠隔の低スペックPCに表示させるなどの使い方が可能。 - NAS対応HDDなどを自宅のネットワークに配置する事で、外出先からアクセスしてデータのやり取りが可能。
仕事編
- 社外から社内ネットワークに速くアクセスできる
- タブレットやスマホなど多様な端末で安全に社内ネットワークへアクセスできる
主な使用用途として、会社へ出勤することが困難な状況で、セキュリティを確保しつつ社内データへアクセスすることが可能です。また、災害や事故などの緊急時から、育休や在宅などのワークスタイルの変化にまで幅広く対応できるシステムとして注目され始めています。
リモートアクセスとは
接続の大条件がVPNの設置が前提となります。外出先から対象のネットワークに接続することが出来るため、遠く離れた自宅のデータなどを操作することが可能となります。
VPN(Virtual Private Network)とはインターネットに接続されている利用者の間に、仮想的な通信トンネルを構成したプライベートなネットワークのことです。 通信経路を認証や暗号化を用いて保護することにより、第三者が侵入することのできない、安全なネットワークを構築できます。
リモートディスクトップとは
インターネットを経由して別のパソコンに接続する機能です。 接続先のパソコンの画面が表示され、プログラムやファイルにアクセスできます。接続するにはパソコン個々の設定が必要となります。
リモートアクセスにとって重要なのは、セキュリティを確保するという点です。遠隔操作ができればいいという目的ではなく、通信経路を認証や暗号化を用いて保護することにより、第三者が侵入することのできない、安全なネットワークを構築することを目的にVPNを設置します。
- 暗号化
データの盗聴や改ざんなどを防止するために、データを複雑に撹拌(かくはん)する技術 - トンネリング
端末間のすべての通信を束ねてルーター間の通信に見せかける技術
トンネリングを使うと、すべての通信をルーターが集約して暗号化できるので、端末が個別に暗号化する必要はなくなります。
リモートアクセスVPNのセキュリティーの種類
- IPsec(IP Security Architecture)とは
インターネット上で安全な通信を実現するためのVPN接続方式です。データの暗号化や接続相手の認証などを行う仕組みを提供しています。これらを実現するプロトコルとして、一般的にはIKEやESPを利用します。ESPは暗号化を行い、IKEは暗号化に必要な鍵と呼ばれる情報を管理するために使われます。 - PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)とは
IPsecに比べセキュリティーレベルの低いVPN接続方式です。
マイクロソフト社によって提案された暗号化通信の方式で、Point to Point プロトコル(PPP)と呼ばれる2つの拠点間を接続する技術を拡張したものです。 - L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)とは
L2TP自体は暗号化の仕組みを持ちませんが、IPsecを併用することでデータの機密性や完全性を確保したVPN接続を実現します。スマートフォンなどに搭載されているL2TPクライアントから、インターネット越しに配下のプライベートネットワークへセキュアな通信を実現します。
近年では在宅ワークをする主婦やノマドワーカーが増え、限定された環境で働くという前提が覆されようとしています。そのような環境下でリモートアクセスは最善の技術だと思います。
また、個人利用としても大変優秀なシステムです。導入も一般のルータの設定で簡単に導入できる点などや自宅のHDDやパソコンに保管したデータが欲しい時などに活躍できます。
是非、導入を考えてみてください。
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